2008年12月22日月曜日

友人の死

最近親代わりの友人が10年の癌の闘病ののち死にました。導師をたのまれたのですが通夜の席上山本玄峰老師の「人間70よりは80,80よりは90、90よりは100、100よりは死んでからじゃ」と言う言葉をおしえました。遺族は故人はこれからだとわかりおおいに勇気付けられたと言うことでした。また翌日諷誦文のなかで「代受苦の菩薩として10年を生き抜いた」と故人をたたえました。遺族はことのほか喜んでおられました。そうです理不尽な病,事故にあった人は他人とくらべて妙に卑屈になることはないのです。そのひとは周りの人の業を代わって受けてくれたヒーローなのです。むしろ堂々としていていいのです。此の故人の遺族も「親しい人の業を取っていったと思います」と出棺の挨拶をしました。また故人の家族は葬儀の数日後故人がお不動様と一緒の夢をみたといいます。有難いことでした。

2008年12月4日木曜日

黄不動の不思議

「先日東寺で中天相承悉曇講傳があり第1回目を受講した帰り大阪市美術館で開催されている「国宝三井寺展」にいってきました。三井寺門外不出の秘仏「黄不動」(国宝、)が拝観できるからです。毎週護摩を焚いているものとして日本三大不動の一が拝観できる機会を逃すわけにはいきません。美術館は平日にもかかわらず多くの天台檀徒で混雑していました。
いろいろすばらしい展示があり何度もたちどまりながらしかし時間がなかったので1直線に黄不動のところにいき拝みました。この不動尊は天台五代座主円珍が若き日、比叡山で12年の籠山行中岩窟で感得されたものです。両眼をカッと見開いた黄色の等身大のお体で虚空に直立されています。「胸に条帛を着けず、天を向く二牙を持ち両目をカッと見開く図像は、まったく儀軌にあてはまらないもの。隆起した筋肉質の体といい、足下に何も踏まない構想といい、いかにも虚空示現の伝説にふさわしいもの。」と解説されています。そしてそのお姿を刻した秘仏、等身大の黄金の不動明王立像も展示されており拝することができました。何度も拝みました。
そしてここからが不思議なのですがこの5日後の一昨日金沢文庫の釈迦遺跡展を拝観したときなんとこの三井寺の黄不動について『黄不動口伝』という文書が展示してあったのです